これまで色々なブログで東洋医学の診断方法や体質についてご紹介してきましたが、皆様にもっと簡潔にわかりやすくできたらと思い、ざっくりですが、10通りの身体の不調のタイプに分けてみました。
もちろん、これだけが原因ということはありませんし、複合することもよくあります。
まずはご自身のタイプを知ると
・痛みや不調の軽減
・痛みや不調の予防
・今後起こるかもしれない痛みや不調の防止(未病治)
などが期待できるようになります。
今回は「眼精疲労による脳下垂体お疲れタイプ」についてご紹介していきます。
眼精疲労による脳下垂体お疲れタイプとは?
脳下垂体とは生命維持に必要なホルモンを分泌する脳の一部です。
脳下垂体から分泌されるホルモンは、目から入ってくる光(太陽光やブルーライトも含む)に影響され、
目に光が入ってくるとホルモンの放出が増え、
光が遮断されるとホルモンの放出が少なくなる、という性質があります。
これは、日中に身体を動かすためと、夜は身体を休めるため、光の有無により、それぞれに合わせたホルモンが放出されたり、抑制したりすることで、身体を活動しやすくするためです。
しかし、眼精疲労などにより、光を多く目に入れてしまうと、ホルモンの分泌量が不規則になり、自律神経の乱れや身体(特に骨盤)を動かしにくくなるなどの影響を及ぼします。
東洋医学では目は肝臓、脳(下垂体)は腎臓と関係があるとされています。
そのため、腹診でも眼精疲労や脳下垂体の疲労があると、肝臓や腎臓のエリアに反応が出ることが多いです↓

お腹の反応
・目(肝臓)
肝臓の反応は右肋骨に沿っての圧痛(押した時の痛み)や硬さとして現れます。
また、背中の右肩甲骨の下(第7から9肋骨あたり)は肝臓の裏側にあたります。
頭のてっぺんは肝臓のエリアと言われ、右の後頭、右の第3頚椎もそれぞれ肝臓の反応として現れます。
特に右の第3頚椎は眼精疲労やめまいの反応として強く出ることがあります(押すとかなりの圧痛があったり、そこだけゴロっとした塊のような硬さがあることもよくあります)。
この第3頚椎の反応は横隔膜からの反射と言われており、横隔膜と肝臓が接しているところから肝臓がその神経に肝臓の疲労を出しているようです。
そのため、この第3頚椎の反応があるときは呼吸が浅くなっていることもあります(酸欠状態)。
・脳下垂体(腎臓)
腎臓の反応は臍(へそ)の周り、ソケイ部(足の付け根)、脇腹の圧痛や硬さ、もしくは冷えなどで現れます。
また、腰椎2・3番あたり(一番下の触れられる肋骨の下縁からの延長線上)にも同様に現れます。
脳下垂体と脳に共通しているのがホルモンの分泌を行うことです(内分泌器官である)。
ホルモンには身体の各部へ働くように指示をするはたらきがあります。
これは胃液や胆汁などの消化腺、糖を吸収するホルモンのインスリンなどのホルモン、温度や神経などから反応を起こす自律神経など、様々な身体の箇所に影響を及ぼします。
脳下垂体からはたくさんのホルモンが放出されます(解剖学や生理学でこのホルモンはどこから放出されますか?といった問題では、下垂体と書けば正解するかも、というくらいです)。
また、腎臓の反応のあるエリアからは「副腎」と呼ばれる器官から、疲労回復に関するホルモン、電解質を調節するホルモン、生殖に関するホルモンなども放出されています。
つまり、眼精疲労を引き起こすほど光に触れていると、ホルモンが絶えず放出されていることとなり、
それが続いてしまうと、ホルモンが枯渇し、生命維持が難しくなってしまい、
↑のような反応が現れたり、色々な症状が発症してしまう原因となってしまいます。
骨盤にも影響するのはなぜ?
これは眼精疲労と深い関わりがあります。
一見関係なさそうな…と思われますが、ちゃんとメカニズムもあるんです。
少々難しいところもあるので文章だけでなくイラストも使いながら説明していきます。
眼精疲労によって起こるのは頭の骨である蝶形骨が歪みです。
この蝶形骨は骨盤や股関節、足の付け根であるソケイ部と連動していると言われています。
これは発生学からの考え方で、胎児期(お腹にいる時にヒトの形になり始めたころ)ではこの蝶形骨と骨盤は近いところから作られているため、互いに影響しあっているのでは?と考えられています。
つまり、眼精疲労により、蝶形骨が歪み、骨盤あるいはソケイ部のバランスを崩し、股関節周りの筋肉を収縮させることで、坐骨神経痛や股関節の痛みや不調を引き起こすということです。

また、蝶形骨が歪むと、蝶形骨に接している脳下垂体のはたらきも悪くなります。
脳下垂体は様々なホルモンを分泌している大事なはたらきををしています。
そのため、脳下垂体のはたらきが鈍くなると、ホルモンの分泌のバランスが崩れ、自律神経失調症のような症状が出ることもあります。

骨盤周りの筋肉がなかなかほぐれず、症状もあまりよくならない、
骨盤矯正や足の長さが違うなどの構造的なアンバランスがなかなか改善しない場合でも、
蝶形骨の歪みが原因となっていることも考えられます。
また、ホルモンバランスが乱れ、様々な症状がある場合でも、蝶形骨の歪みが根本的な原因になっているケースもあります。
この場合、よくみられる症状として、皮膚症状が多く、敏感肌や湿疹、発疹などがあります。
眼精疲労による脳下垂体お疲れタイプにおすすめのセルフケア
眼精疲労に有効なセルフケアは目を温めることです。
最近ではめぐリズムや蒸気でホットアイマスク、あずきが入っていてレンチンして何度も使えるもの、USBに繋いで充電して目を温めるものなどいろいろな目を温めるグッズがあります。
また、仕事中など外出先でなかなか目を温めることができなくても、目を閉じたり、遠くを見ることも眼精疲労には有効な手段となります。
また、眼精疲労と共に骨盤や股関節に症状がある場合は、目をケアしながら、股関節のストレッチなどを行なっていくと、症状の軽減や予防にもなります。