あなたはどのタイプ? 肝機能炎上、肝臓お疲れタイプ編

これまで色々なブログで東洋医学の診断方法や体質についてご紹介してきましたが、皆様にもっと簡潔にわかりやすくできたらと思い、ざっくりですが、10パターンの身体の不調のタイプに分けてみました。
もちろん、これだけが原因ということはありませんし、複合することもよくあります。
まずはご自身のタイプを知ると

・痛みや不調の軽減

・痛みや不調の予防

・今後起こるかもしれない痛みや不調の防止(未病治)

などが期待できるようになります。

今回は「肝機能炎上、肝臓お疲れタイプ」についてご紹介していきます。

肝機能炎上、肝臓お疲れタイプとは?

このタイプは、肝臓で処理することが多くなり過ぎて炎上し、血液の滞りを作り、上半身に熱症状を起こします。
肝臓に血液が停滞して重くなるため、右肩が引っ張られたり、骨盤が左側に回旋しやすくなるので、
右半身の不調が出やすくなります。
腹診では以下のような反応が出ることが多いです↓

お腹・背中・頭の反応

右の肋骨の際に沿って圧痛(押した時の痛み)や硬さ、場合によっては過敏により身体をのけ反るようなこともあります。
ちょうどこの下に肝臓自体があるので、むくみや血液が充血していると肝臓が大きくなるので、反応を触知することができます。背中の反応もこの位置に肝臓があるので、その上の筋肉に反応が出ます。

また、肝臓は全身から集められた血液を貯蔵するはたらきがあります。
これはお腹の左下から臍(へそ)の反応で、全身から集められた血液を肝臓に送る門脈という静脈によるものです。
先ほどのように、肝臓自体がむくんでいたり、充血していると、集められた血液を肝臓に送ることができず、門脈にうっ血(血が溜まる)するので、このあたりに反応が出ます。

これと同じように、頭や首の血液も回収するので、肝臓自体がむくんでいたり、充血していると頭や首に血液がうっ血するので、頭のてっぺんや頭の付け根の右側(頭の血管は肝臓に変える時に右側を通るため)に反応が出ます。

後述しますが、肝臓炎上タイプの方は、肝臓が「実(じつ)」の状態です。
「実」の場合、上記の反応のあるところを押された時の特徴として「刺痛」という、文字通り刺されたような鋭い痛みとなることが多いです
(触診の際には不快にならないよう反応を診ながら注意して行っているのでご安心ください)。
また、首や頭、また施術で使うツボなどは熱感があったり、むくんでいるような感覚があるがこのタイプの特徴です。

反対の肝機能ヘロヘロ…肝臓お疲れタイプの方は肝臓が「虚(きょ」の状態です。
「虚」の場合、上記の反応のあるところを押された時の特徴としてはくすぐったい、または力がなく柔らかなことが多いです。
「実」のタイプとは異なり、熱感やむくんでいることは少なく、筋肉やツボがへたっている(力のない感じ)ような感覚があります。

肝臓が炎上しているとはどんな状況?

これは東洋医学の「虚(きょ)・実(じつ)」の「実」を表します。
色々ネットなどでも載っていますが、簡単にいうと、

働く力が大きく、容量が多いことを「実」
働く力が少なく、容量が少ないことを「虚」

ということになります。

これは身体のタイプを表すようなもので、
不調や、病症を表すものではありません。

例えば、食事でたくさん食べることができる人もいれば、少しで十分という人もいますよね。
これを「虚・実」で表すと、
たくさん食べることができる人は「実」のタイプ
少しで十分という人は「虚」のタイプ
というようなイメージです。

ですが、「虚」も「実」もそれが過ぎると、不調や健康に害をもたらします。
その原因が、外からの有害物が多くなることです(各臓器(東洋医学では五臓)の有害物はそれぞれで異なります)。

「虚」の体質の人が、有害なものにより、その臓器の機能が低下して、生命力が乏しくなり、不調や痛みになるものを虚による病症=「虚証」といい、

「実」の体質の場合も、有害なものに対抗しようと機能を亢進して、バランスを崩し、不調や痛みの原因となるようものを実による病症=「実証」としています。
(肝機能炎上タイプはこちらです)

つまり、「虚」と「実」では有害物への対応が違い、その対応する機会が多かったり、その量が多くなると対応しきれなくなり、不調や痛みになるということになります。

肝の虚と実を例にイラストにすると下記のようになります↓ (左が正常の反応、右が不調になる反応)

また、「虚」と「実」どちらが良い、というものではなく、
身体全体のバランスにより、身体の生命活動が行われているため、
どこかを「虚」から「実」に、「実」から「虚」にすると、
バランスが崩れてしまい、不調や痛みの原因にもなります。
肝は五行では「木」になるので、自然の中をイメージしてイラストにするとこのようになります↓

つまりは、
「虚」の人を有害なものにより「虚」にし過ぎない、
「実」の人を有害なものにより「実」にし過ぎなければ、
不調や痛みが起こらず、
「虚」の人は「虚」を維持し、
「実」の人は「実」を維持すると、
健康を保つことができる、ということになります。

肝機能炎上、肝臓お疲れタイプにおすすめのセルフケア

特に現代では「肝」を病む有害物(ストレス、アルコール、薬、眼精疲労、糖質、添加物etc.)が多く、
「肝」の虚・実に合わせて施術・セルフケアをすることが重要になります。
特にアルコールや糖質と添加物、眼精疲労はそれぞれ気をつけることができるので、日頃からケアしていくことで
「肝」へのダメージを軽減することができます。

アルコールや添加物、薬などは、身体にとっては毒と認識されてしまいます。
ですが、摂らざるおえない時や、知らずうちに摂ってしまう、飲まなくてはならない薬がある、ということも多いかと思います。
そこで、身体をデトックスする方法が、シソやニラを摂取することです。
シソやニラは「肝」や「腎」の解毒作用があります。
また、しじみ(貝)は強肝作用があるのでこちらもおすすめです。

眼精疲労には蒸気でホットアイマスクやメグリズム、電子レンジで繰り返し使える小豆の入ったものや、USBに繋いで使えるアイマスクなどもあるので、休憩時間にこまめに目を温めると効果的です。
また、目を温めることだけでなく、遠くを見ることも眼精疲労には効果的です。
眼精疲労はパソコンやタブレット、スマホなどは近くを見るため、目のレンズを調節している筋肉を酷使することで起こりますが、反対に遠くのものを見るための目にある筋肉を使うことで、近くのものを見る筋肉が緩めることができるからです。

糖質については、少し糖質を多くとっているかも…とお心あたりのある方は、思い当たる糖質をピックアップして、その糖質をまずは半分にしてみましょう。
期間は2週間。(2週間すると大分なれてくるそうです)
その後もうその半分にしていくと、身体の変化を実感できるようになっていきます。