あなたはどのタイプ? 自律神経失調による対応力弱体化タイプ編

これまで色々なブログで東洋医学の診断方法や体質についてご紹介してきましたが、皆様にもっと簡潔にわかりやすくできたらと思い、ざっくりですが、10パターンの身体の不調のタイプに分けてみました。
もちろん、これだけが原因ということはありませんし、複合することもよくあります。
まずはご自身のタイプを知ると

・痛みや不調の軽減

・痛みや不調の予防

・今後起こるかもしれない痛みや不調の防止(未病治)

などが期待できるようになります。

今回は「自律神経失調による対応力弱体化タイプ」についてご紹介していきます。

自律神経失調による対応力弱体化タイプとは?

このタイプは、何らかの影響により、自律神経が正常に働かなくなり、身体の生命維持が困難となっています。
自律神経とは身体の機能を一定に保つはたらきをしています。
この機能が低下すると、様々な変化に対応することが苦手になり、エネルギーの消耗が大きくなるので、疲れやすくなります。

では、そもそも自律神経失調症の定義は何かというと、定義はないのだそうです。
つまり、天候や環境などが原因で、本人が自覚している不調を自律神経失調症としているようで、医学的な所見で確定診断があることは少ないようです。

ですが、東洋医学では自律神経が失調している状態やその原因を表しています(独特な表現などがあるのでわかりやすくイラストも交えて紹介していきます)。

東洋医学では、自律神経失調症を「身体と自然との不調和」としています。
地球には太陽や月の引力があります。
この引力は潮の満ち引きなど地球上に様々な影響を及ぼしていて、

それは人の身体にも影響していると言われています。

しかし、人にも太陽や月と同じように引力があり、綱引きをするように、太陽や月の引力に対抗して、自身の体調を保っています。その引力に対抗しているのが自律神経ということです。

そしてこの引力があるのかないのかは胃や消化器の力の有無ととても関係があります。

東洋医学ではこれを「脾(ひ)」という臓器(消化器系の機能を意味する)が担っているとされていて、この「脾」の機能が正常であれば、自律神経のはたらきも正常に機能し、健康を保つことができます。

しかし、脾の引力が弱くなると、枠内から自然の引力に引っ張り出され、自律神経も正常に機能しなくなり、天候や季節、環境の変化に対応しにくくなるなど、様々な身体の不調が出始めます。
この状態を東洋医学では「自然との不調和」といい、いわゆる自律神経失調症としています。

「脾」が弱くなる原因は何か。

糖質過多

東洋医学では「五味(ごみ)」という、
その味覚のものを摂りすぎると、特定の臓器の機能を落としてしまう、という考えがあり、
「脾」の「五味」は「甘(かん)」という甘いものを示しています。

つまり、糖質を多く摂ると、「脾」が弱くなり、自身の引力も弱くなり、外界の影響に振り回されやすくなる、ということです。

・眼精疲労、アルコール、薬や添加物による肝へのダメージ

「肝」は「脾」と相克関係(肝のはたらきが強くなると、脾のはたらきを弱くさせる)にあり、↑のような肝にとって有害なものを取り過ぎると、脾に影響する。

・運動不足

胃の経絡は目からスタートして足に行きます。
そして、スネの筋肉の上にはたくさんの胃のツボがあり、スネの筋肉を使うことで胃の消化力が上がります。
しかし、歩いたり、あるいは走ったりせずにスネの筋肉を使わないでいると、消化能力が低下し、胃だけでなく、脾の力も落ちてしまいます。
補足:動物、例えば馬は足を骨折すると命に関わると言われています。これは歩けなくなることで、食べたものを消化することができなくなり、エネルギー不足が原因で命を落とす、と言われています。
人間は死まではいかないまでも、生命活動をする上で消化能力が落ちることは自律神経の乱れだけでなく、様々な身体の不調の原因となります。

自律神経失調による対応力弱体化タイプにおすすめのセルフケア

↑の原因ごとに紹介します。

・糖質過多
少し糖質を多くとっているかも…とお心あたりのある方は、思い当たる糖質をピックアップして、その糖質をまずは半分にしてみましょう。
期間は2週間。(2週間すると大分なれてくるそうです)
その後もうその半分にしていくと、身体の変化を実感できるようになっていきます。

どうしても食べたくなってしまった時は、
・100%のはちみつやメープルシロップ(スプーン2杯分くらい)
・ドライフルーツやさつまいもなどの芋類
・果物ではりんごなど(腸内細菌は分解しやすい)
などで代用しましょう。

そして、当院でよくおすすめしているのが焼きりんごです。
1/2から1/4にしたりんごを、オーブンやトースターなどで焼いて、ヨーグルトとはちみつやメープルシロップをかけます。
分解しやすい糖分なので、腸内環境にも良くおいしく食べられると思います。
また、腸内の温度を下げないように温かい飲食物を摂ることも腸内環境を整えるには重要です。
というのも、腸内の温度は40℃近く、そして善玉菌が活発になるのも同じ温度と言われています。
対して悪玉菌が好きな温度は30℃未満の低い温度。
実は冷え冷えの350mlビール1本を飲むと腸内の免疫の80%は停止してしまうとも言われています。
それだけ、腸内の細菌は温度に敏感なので、腸内が冷えないような飲食を心がけましょう。


・眼精疲労、アルコール、薬や添加物による肝へのダメージ

アルコールや添加物、薬などは、身体にとっては毒と認識されてしまいます。
ですが、摂らざるおえない時や、知らずうちに摂ってしまう、飲まなくてはならない薬がある、ということも多いかと思います。
そこで、身体をデトックスする方法が、シソやニラを摂取することです。
シソやニラは「肝」や「腎」の解毒作用があります。
また、しじみ(貝)は強肝作用があるのでこちらもおすすめです。

眼精疲労には蒸気でホットアイマスクやメグリズム、電子レンジで繰り返し使える小豆の入ったものや、USBに繋いで使えるアイマスクなどもあるので、休憩時間にこまめに目を温めると効果的です。
また、目を温めることだけでなく、遠くを見ることも眼精疲労には効果的です。
眼精疲労はパソコンやタブレット、スマホなどは近くを見るため、目のレンズを調節している筋肉を酷使することで起こりますが、反対に遠くのものを見るための目にある筋肉を使うことで、近くのものを見る筋肉が緩めることができるからです。

・運動不足

ベストなのはウオーキング30分ですが、時間がなかったり、外出できない場合は家で足踏みをしたり、爪先立ちを繰り返すことも有効です。
それにより、スネの筋肉を収縮させることができるので、胃の消化能力を上げることができます。
足踏みや爪先立ちを繰り返すのは何回行ってもOKです。
やればやるだけ効果があるので、まずは無理のない範囲から試してみましょう。