お灸と聞くとまず「熱そう」というイメージを持たれる方が多いようです。
ですが、当院で行なっているお灸はいずれも全く熱くありません。
というのも使用している鍼の記事にも書いたように、当院の施術の目的は
「最小限の刺激量で、最大限の自然治癒力を引き出す」ことなので、
強い刺激となる熱いお灸はしません。
ではどんなお灸をするのか?なぜ熱くなくても効果があるのかを解説していきます。
どんなお灸をするの?
当院で行なっているのは主に3種類のお灸です。
・透熱灸
・温灸
・塩灸
順番に画像を載せながら解説しますね。
透熱灸
最近ではあまりやらない手法ですが、古来よりお灸というとこの透熱(とうねつ)灸のことを言います
(専門学生時には誰もが経験している必須科目でもあります)。
このお灸の目的はツボを直接温めることです。
お灸と皮膚の間には「紫雲膏」というやけどなどに使う漢方薬の軟膏を塗ります。そうすることでやけどの予防、お灸の安定ができます。
後述する温灸よりも直に熱を加えるので、刺激の量としては大きく、ツボの冷えが強い箇所に使います。と言っても紫雲膏を塗っているのでほとんど熱さを感じません。
熱さを感じなくても、ツボの温度が上がり、その経絡の流れが良くなることを重視しています(経絡の流れが良くなると同時に症状の軽減や腹診の反応を良くすることができます)。
温灸
温灸は透熱灸よりも温度の低いお灸で、ツボを温める効果により、経絡の流れを良くする補助的な役割をします。
また、患者さん自身のセルフケアなどで行なっていただくこともあります。
(お灸をするツボの位置は施術中にお知らせしてマーキングします)
こちらも温かいくらいの刺激なので安心して受けられます。
塩灸(隔物灸)
隔物灸(お灸の間に薬効成分のあるものを入れて、温熱と共に効果を与える方法)の中でも効果が高く、施術がしやすいことで塩灸をしています。
この方法はよく花粉症や鼻炎などのアレルギー疾患の治療で行います。
お灸を行う箇所はおへそです。
しかし、これも直接お灸をするのではなく、和紙と塩の上にお灸を乗せるので、跡が残ることはありませんのでご安心ください。
なぜおへそなのかというと、アレルギーの原因は腸内が冷えることで起こる腸内環境の悪化によるものだからです。
そのために、おへそを温めると直接腸内を温めることができるため、アレルギー疾患の緩和の効果が期待できます。
詳しくはこちらの記事にも紹介しておりますのでご覧ください↓
今回ご紹介したお灸は必ずしも行うものではありません。
検査や施術をして、適応かつ効果があると判断した場合にのみ行なっております。
また、皮膚が敏感な方や、どうしてもお灸は苦手という方には行いませんのでご安心ください。