つらい浮動性めまい、自律神経の乱れが原因かも?チェック方法と対処法

「ふわふわする」「雲の上を歩いているみたい」といった表現されることが多い浮動性めまい。まるで地に足がついていないような感覚に襲われ、不安や恐怖を感じている方も多いのではないでしょうか。このめまい、実は自律神経の乱れが原因となっているケースが多いのです。本記事では、浮動性めまいの症状の特徴や回転性めまいとの違い、そして自律神経との関係性について詳しく解説します。さらに、あなたのめまいが自律神経の乱れによるものかどうかをチェックする方法や、日常生活でできる効果的な対処法、医療機関への相談の目安など、具体的な対策を網羅的にご紹介します。めまいの原因が分からず悩んでいる方、自律神経の乱れを改善したい方は、ぜひこの記事を読んで、具体的な解決策を見つけてみてください。快適な毎日を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

1. 浮動性めまいとは?

浮動性めまいは、まるで自分がフワフワと浮いているような、あるいは地面が揺れているような感覚を覚えるめまいの種類です。ふわふわする、揺れている感じがする、雲の上を歩いているようだ、足が地に着いていない感じがするといった表現で表現されることが多いです。周囲が動いているように感じるのではなく、自分自身が動いている、不安定な感覚に襲われます。この不快な感覚は、数秒から数分、場合によっては数時間続くこともあり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。また、吐き気や嘔吐を伴うことは少ないですが、不安感や動悸を伴う場合もあります。

1.1 症状の特徴

浮動性めまいの主な特徴は、身体がふわふわと浮いているような感覚、地面が揺れているような感覚です。具体的な症状としては以下のようなものがあります。

  • 身体が揺れている、ふわふわする感覚
  • 足元が不安定で、地に足がついていない感覚
  • 雲の上を歩いているような感覚
  • 船酔いのような感覚
  • 頭がボーッとする、頭が重い
  • 不安感、動悸

これらの症状は、立っている時や歩いている時に強く感じられることが多く、座ったり寝転がったりすることで軽快する場合もあります。また、症状の強さは常に一定ではなく、波があるように変化することも特徴です。

1.2 回転性めまいとの違い

めまいには様々な種類がありますが、特に「回転性めまい」と混同されやすいです。回転性めまいは、周囲の景色がぐるぐる回転しているように感じるめまいのことで、平衡感覚をつかさどる内耳の異常が原因で起こることが多いです。一方、浮動性めまいは、自分自身がふわふわと浮いているような感覚であり、回転性は伴いません。以下の表に違いをまとめました。

 回転性めまい浮動性めまい
感覚周囲がぐるぐる回る自分がふわふわ浮く、地面が揺れる
主な原因内耳の異常(メニエール病、良性発作性頭位めまい症など)自律神経の乱れ、精神的なストレス、脳血管障害、貧血など
吐き気・嘔吐強いことが多い少ない
持続時間数秒~数分数秒~数時間

ただし、浮動性めまいと回転性めまいが同時に起こる場合もあるため、自己判断せず、めまいの症状が現れたら医療機関を受診することが重要です。特に、激しい回転性めまいが突然起こった場合は、脳梗塞などの重大な疾患が隠れている可能性もあるため、早急に医療機関を受診しましょう。

2. 自律神経と浮動性めまいの関係

自律神経は、呼吸や消化、体温調節など、生命維持に不可欠な機能を無意識にコントロールしています。この自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経の2種類があり、これらがバランスを取りながら身体の機能を調整しています。しかし、様々な要因でこのバランスが崩れると、自律神経失調症と呼ばれる状態になり、めまいをはじめとする様々な不調が現れることがあります。

2.1 自律神経の乱れが引き起こすメカニズム

自律神経の乱れが浮動性めまいを引き起こすメカニズムは複雑で、まだ完全には解明されていません。しかし、いくつかの有力な説があります。一つは、内耳の血流調節の異常です。自律神経は内耳の血流をコントロールする役割も担っています。自律神経が乱れると、この血流調節がうまくいかなくなり、内耳への酸素供給が不足したり、老廃物が蓄積したりすることで、めまいが生じると考えられています。
また、脳への情報伝達の異常も関係していると考えられています。自律神経の乱れは、脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、めまいに関わる脳の領域に異常な情報が伝わることで、浮動性めまいが生じる可能性があります。さらに、平衡感覚の調整機能の低下も指摘されています。自律神経は、視覚、聴覚、体性感覚などからの情報を統合し、平衡感覚を調整する役割も担っています。自律神経が乱れると、この調整機能が低下し、浮動性めまいが生じやすくなると考えられています。

内耳の血流調節の異常が起こる原因として
・頚椎のズレ
・扁桃腺の機能低下
・糖代謝異常
なども考えられ,

脳への情報伝達の異常は
頭部での血液の停滞
が主な原因となることが多いです。

詳しくは↓の記事がご覧になれますのでご覧ください。

2.2 ストレスと浮動性めまいの関連性

ストレスは自律神経のバランスを崩す大きな要因の一つです。現代社会において、ストレスは避けて通れないものですが、過剰なストレスに長期間さらされると、交感神経が過剰に緊張し、副交感神経の働きが抑制されます。この状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ、浮動性めまいだけでなく、頭痛、吐き気、動悸、息切れ、不眠などの様々な症状が現れることがあります。精神的なストレスだけでなく、身体的なストレス(過労、睡眠不足、不規則な生活など)も自律神経の乱れに繋がります。また、気圧の変化や季節の変わり目、環境の変化などもストレスとなり、浮動性めまいを誘発する可能性があります。

ストレスの種類具体的な例浮動性めまいへの影響
精神的ストレス仕事上のプレッシャー、人間関係のトラブル、将来への不安など交感神経の過緊張を引き起こし、めまい症状を悪化させる可能性があります。
身体的ストレス過労、睡眠不足、不規則な生活、栄養不足、気圧の変化など自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こしやすくします。
環境的ストレス騒音、温度変化、強い光など自律神経の働きに影響を与え、めまい症状を誘発する可能性があります。

ストレスと浮動性めまいの関係は密接であり、ストレスを適切に管理することが、浮動性めまいの予防と改善に重要です。

3. 浮動性めまいが自律神経の乱れによるものかチェックする方法

浮動性めまいは様々な原因で起こりますが、自律神経の乱れが原因となっているケースも多いです。ご自身のめまいが自律神経と関連しているかをチェックする方法を3つの観点からご紹介します。

3.1 めまいに伴う症状をチェック

浮動性めまいとともに、下記のような症状が現れている場合は、自律神経の乱れが原因である可能性が高まります。これらの症状は自律神経失調症の代表的な症状とも重なります。

症状説明
倦怠感体がだるく、疲れやすい状態が続く。
頭痛緊張型頭痛のように頭全体が締め付けられるような痛みや、片頭痛のようなズキズキとした痛み。
不眠寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまうなど。
動悸ドキドキと心臓が速く鼓動する感覚。
息苦しさ呼吸が浅く、息苦しさを感じる。
吐き気吐き気を催す、実際に嘔吐してしまう。
耳鳴りキーンという高い音や、ジーという低い音など、様々な種類の音が聞こえる。
肩こり肩や首の筋肉が緊張し、痛みや凝りを感じる。
便秘や下痢排便のリズムが乱れ、便秘や下痢を繰り返す。
冷え性手足が冷えやすく、温まりにくい。
発汗異常暑くもないのに汗をかきやすい、または冷や汗が出る。
不安感やイライラ漠然とした不安や、些細なことでイライラしやすくなる。

3.2 日常生活での変化をチェック

recentな生活の変化が、自律神経の乱れを引き起こし、浮動性めまいに繋がっている可能性があります。以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 過度なストレス:仕事や人間関係、環境の変化などによるストレスを感じていませんか?
  • 睡眠不足:十分な睡眠時間を確保できていますか?睡眠の質は良いですか?
  • 不規則な生活:食事の時間や睡眠時間が不規則になっていませんか?
  • 運動不足:定期的に運動する習慣はありますか?
  • 食生活の乱れ:栄養バランスの取れた食事を摂っていますか?
  • 過度なカフェイン摂取:コーヒーやエナジードリンクなどを過剰に摂取していませんか?
  • アルコールの過剰摂取:お酒を飲みすぎていませんか?
  • 喫煙:喫煙習慣はありますか?

3.3 チェックリストで自律神経の乱れをセルフチェック

以下のチェックリストで、自律神経の乱れの可能性をセルフチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いほど、自律神経が乱れている可能性が高くなります。あくまで自己診断ですので、正確な診断は医療機関を受診してください。

チェック項目
□ 疲れやすい
□ イライラしやすい
□ 気分が落ち込みやすい
□ 寝つきが悪い、または眠りが浅い
□ 食欲不振、または過食気味
□ 動悸がする
□ 息苦しさを感じる
□ めまいがする
□ 手足が冷える
□ 便秘や下痢になりやすい
□ 肩こりや首こりがひどい
□ 頭痛がする
□ 集中力が続かない

これらのチェック項目に加え、天候の変化に体調を左右されやすい季節の変わり目に体調を崩しやすいなども自律神経の乱れのサインの可能性があります。チェックリストの結果と合わせて、日常生活の変化や症状を総合的に判断することが重要です。

4. 浮動性めまいと自律神経の乱れへの対処法

浮動性めまいと自律神経の乱れへの対処法は、大きく分けて生活習慣の改善、ストレスマネジメント、医療機関への相談の3つの柱からなります。これらのアプローチを組み合わせて、症状の改善を目指しましょう。

4.1 生活習慣の改善

自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活習慣を心がけることが重要です。睡眠、食事、運動の3つのポイントに焦点を当て、具体的な方法を見ていきましょう。

4.1.1 睡眠の質を高める

良質な睡眠は、自律神経のバランスを整える上で非常に重要です。睡眠不足や睡眠の質の低下は、自律神経の乱れを悪化させる可能性があります。 以下のポイントを意識してみましょう。

  • 毎日同じ時間に寝起きする
  • 寝る前にカフェインやアルコールを摂取しない
  • 寝る前にリラックスする時間を作る(ぬるめのお風呂に入る、読書をするなど)
  • 寝室を暗く静かに保つ
  • 寝具にこだわる

4.1.2 バランスの良い食事を摂る

栄養バランスの良い食事は、自律神経の働きを支えるために不可欠です。 特に、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、カルシウムなどは、自律神経の機能維持に重要な役割を果たしています。以下の食品を積極的に摂り入れましょう。
また↑でも述べたように糖質の摂りすぎは自律神経のはたらきを鈍くさせてしまうので,ご飯以外の糖質をなるべく減らすようにしましょう。

  • 野菜:ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなど
  • 魚:鮭、サバ、イワシなど
  • 大豆製品:豆腐、納豆、味噌など

4.1.3 適度な運動を心がける

適度な運動は、自律神経のバランスを整え、ストレス発散にも効果的です。 激しい運動ではなく、ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、軽い運動を継続的に行うことが大切です。

  • ウォーキング:1日30分程度
  • ヨガ:週に2〜3回
  • ストレッチ:毎日

4.2 ストレスマネジメント

ストレスは自律神経の乱れの大きな原因となります。ストレスをうまく管理し、心身のリラックスを図る方法を身につけましょう。

4.2.1 リラックスできる時間を作る

毎日、意識的にリラックスできる時間を作るようにしましょう。 好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、読書をしたりなど、自分に合った方法でリラックスしましょう。

4.2.2 呼吸法を練習する

深い呼吸は、自律神経のバランスを整える効果があります。 腹式呼吸を意識して、ゆっくりと深く呼吸する練習をしましょう。

4.2.3 趣味や好きなことに没頭する

趣味や好きなことに没頭することで、ストレスを発散することができます。 自分の好きなことを見つけ、積極的に取り組んでみましょう。

4.3 どこへ相談すれば良い?

めまいを感じた際に、どこに相談すべきか迷う方も多いでしょう。めまいの原因は多岐にわたるため、適切な診療科を選択することが重要です。ここでは、めまいの症状に関連する主な診療科と、それぞれの科でどのような検査や治療が行われるかについて解説します。

まずは当院へご相談ください

めまいの症状はあるんだけど、どこに相談すればいいのかわからなかった…という来院された方はとても多いです。
「まずは病院行ったほうがいいのかな」
「何科に相談すればいい??」
「この症状で相談してもいいのかな…」
とお考えの方はまず当院へご相談ください。
脳梗塞や心疾患などの重篤な症状でもめまいは起きますが、そうでない場合は施術をしていけば症状はなくなっていきます。
また、施術の前に問診や検査をして、病院を受診したほうが良い場合は、病院での検査を勧めたり、病院での治療と並行して施術を提案したりすることができます。
また、すでに病院で検査を受けて治療をしているが、あまり状態が良くないという場合でも遠慮なくご相談ください。

5. 薬物療法、その他の治療法

医療機関では、症状に合わせて薬物療法やその他の治療法が検討されます。

5.1 薬物療法について

自律神経の乱れに対しては、抗不安薬や抗うつ薬などが処方されることがあります。医師の指示に従って、適切に服用することが重要です。

5.2 漢方薬について

漢方薬も自律神経の乱れに効果的な場合があります。医師や漢方薬局の専門家に相談し、自分に合った漢方薬を選びましょう。

6. 薬物療法、その他の治療法

浮動性めまいが自律神経の乱れに起因すると診断された場合、症状や原因に合わせて様々な治療法が検討されます。ここでは、薬物療法を中心とした治療法について解説します。

6.1 薬物療法について

薬物療法は、めまいの症状を抑えたり、自律神経のバランスを整えることを目的に行います。主な薬の種類と効果は以下の通りです。

薬の種類作用主な副作用
抗めまい薬(メチルスコポラミン臭化水素酸塩水和物など)めまい、吐き気、嘔吐などの症状を抑制する口渇、便秘、眠気など
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系など)不安や緊張を和らげ、自律神経のバランスを整える眠気、ふらつき、依存性など
抗うつ薬(SSRI、SNRIなど)セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスを整え、自律神経の働きを改善する。また、抗不安作用も持つ。吐き気、眠気、食欲不振など
自律神経調整薬自律神経のバランスを整え、めまい、動悸、息切れなどの症状を改善する眠気、倦怠感など

薬の種類や服用量は、個々の症状や体質に合わせて医師が判断します。自己判断で服用を中断したり、量を変更したりすることは危険ですので、必ず医師の指示に従ってください。

6.2 漢方薬について

漢方薬も自律神経の乱れを整える効果が期待できる治療法の一つです。体質や症状に合わせて処方されるため、西洋医学の薬と併用することも可能です。 よく用いられる漢方薬には、半夏白朮天麻湯、苓桂朮甘湯、加味逍遥散などがあります。これらの漢方薬は、めまいやふらつき、吐き気、胃腸虚弱、不安、不眠などの症状に効果があるとされています。ただし、漢方薬も副作用が出る可能性がありますので、医師や薬剤師に相談の上、服用するようにしてください。

7. まとめ

この記事では、浮動性めまいと自律神経の乱れの関係性について解説しました。浮動性めまいは、周囲がフワフワと浮いているような感覚のめまいで、回転性めまいとは異なる特徴を持っています。その原因の一つとして、自律神経の乱れが考えられます。自律神経のバランスが崩れると、めまいだけでなく、吐き気や頭痛、倦怠感などの様々な症状が現れることがあります。

自律神経の乱れが原因のめまいであるかをチェックする方法として、めまいに伴う症状や日常生活の変化を確認することが重要です。また、チェックリストを用いてセルフチェックを行うことも有効です。もし、自律神経の乱れが疑われる場合は、医療機関への相談をおすすめします。適切な診療科は、耳鼻咽喉科、神経内科、または心療内科です。めまいが続く、日常生活に支障が出る場合は、早めに受診しましょう。

対処法としては、生活習慣の改善、ストレスマネジメント、そして必要に応じて薬物療法や漢方薬、鍼灸治療などが挙げられます。睡眠の質を高め、バランスの良い食事を摂り、適度な運動を心がけることが重要です。また、リラックスできる時間を作ったり、呼吸法を練習するなど、ストレスを軽減するための工夫も大切です。自分に合った方法で、自律神経のバランスを整え、浮動性めまいを改善していきましょう。