これまで色々なブログで東洋医学の診断方法や体質についてご紹介してきましたが、皆様にもっと簡潔にわかりやすくできたらと思い、ざっくりですが、10通りの身体の不調のタイプに分けてみました。
もちろん、これだけが原因ということはありませんし、複合することもよくあります。
まずはご自身のタイプを知ると
・痛みや不調の軽減
・痛みや不調の予防
・今後起こるかもしれない痛みや不調の防止(未病治)
などが期待できるようになります。
身体のタイプ分けをする理由
身体のタイプが分からないと
・再発防止
・未病治
・早期回復
は見込めません。なぜなら、不調や痛みは身体のタイプにより、おおよそ
・どこに出るか
・どうすると出るか
・何をすると出ないか
がわかるからです。逆にいうと身体のタイプが分かっていないと、
・症状の再発
・痛みが出てからの処置
・回復まで時間がかかる
という現象が起こります。
つまり、自分の身体のタイプを知るということは
痛みや不調から抜け出すマップを作る、はじめの一歩なのです。
山登りやハイキング、マラソンなどもマップがないと目的地や今どこにいて、あとどのくらいで着くなどがわからなくなりますよね。
施術も同じです。
このマップ作りを最初から間違えると、痛みや不調から抜け出せずに迷子になり、ずっと痛みや不調に悩まされることになるのです。
まずは身体のタイプを知り、痛みや不調から抜け出すためのマップを作ること。
それが不調や痛みから抜け出す近道になります。
どのようにしてタイプ分けする?
当院ではまず、身体のタイプを問診や脈診・腹診から判別していきます。
本来、身体のタイプは東洋医学でいうところの「証(しょう)」というものに該当します。
わかりやすくいうと、病院などで言われる「診断名」のようなものですが、
証は「病名」ではなく、その人自身の「身体の状態=身体のタイプ」を表します。
「証」については、ネットなどでも紹介していることもありますが、知識がなければ何のこっちゃというほど聞きなれない、見慣れない言葉が並んでいたり、解釈がとても複雑なので、自分の「証」を判別するのは極めて困難なことと思います。
そこで当院では、患者さんにも分かりやすく、どう対処したら良いかがわかるように
10通りのタイプに分けて、一人一人の身体のタイプに合わせて施術しております。
「証」では
五臓の実証・虚証を表す「肝実脾虚」だったり、
五臓六腑の状態を表す「胃内停水」、
症状を表す「胸脇苦満」や、
相生・相克関係を表す「心腎不交」、
などの専門用語で表記されることが多いのですが、
これらの表記をもう少しわかりやすい名前にして、それがどのような不調や痛みの原因になるのかを専門用語をあまり使わず、普段使っている言葉で解説します。
今回は10のタイプを簡潔にご紹介していきます。
当院が考える身体の10タイプ
扁桃腺弱体化による免疫低下タイプ
このタイプは、扁桃腺の機能が低下したことにより、空気中のウイルスや細菌から身を守ることができなくなり、
内臓や関節にそのウイルスや細菌が住みつき、痛みや不調の原因を作り出している(これを病巣感染と言います)
タイプです。
肝機能ヘロヘロ…肝臓お疲れタイプ
このタイプは、肝臓で処理することが多くなり過ぎて肝臓が疲弊し、機能が下がることで、
血液の滞りや血液の配分が悪くなるタイプです。
全身の血流が悪くなり、冷えや代謝が落ちやすくなります。
肝機能炎上、肝臓お疲れタイプ
このタイプは、肝臓で処理することが多くなり過ぎて炎上し、血液の滞りを作り、上半身に熱症状を起こします。
肝臓に血液が停滞して重くなるため、右肩が引っ張られたり、骨盤が左側に回旋しやすくなるので、
右半身の不調が出やすくなります。
脾胃虚弱、胃の消化機能低下タイプ
このタイプは、消化機能が落ちて、身体のエネルギーを作ることができなくなり、元気がなくなります。
それと共に身体の軸がぶれるようになるため、股関節や肩甲骨の動きが悪くなり、更には天候への対応力など、
身体の内にも外にも影響することがあるタイプです。
身体の糖化と糖代謝異常タイプ
糖は身体のエネルギー源として重要な栄養素ですが、多すぎると筋肉を硬くしたり、自律神経の乱れ、易疲労、天候の変化による不調、水の配分を偏らせてむくみを作る、などの原因となってしまうタイプです。
自律神経失調による対応力弱体化タイプ
このタイプは、何らかの影響により、自律神経が正常に働かなくなり、身体の生命維持が困難となっています。
自律神経とは身体の機能を一定に保つはたらきをしています。
この機能が低下すると、様々な変化に対応することが苦手になり、エネルギーの消耗が大きくなるので、疲れやすくなります。
眼精疲労による脳下垂体お疲れタイプ
脳下垂体とは生命維持に必要なホルモンを分泌する脳の一部です。
脳下垂体から分泌されるホルモンは、目から入ってくる光(太陽光やブルーライトも含む)に影響されるので、
眼精疲労により、ホルモンの分泌量が不規則になり、自律神経の乱れや身体(特に骨盤)を動かしにくくなるなどの影響を及ぼします。
体温調節が苦手な腎虚(じんきょ)タイプ
このタイプは、生命力の源となる腎の機能が弱くなっているタイプです。
身体に水が溜まりやすく、むくんだり、熱のバランスや身体を一定にする機能が崩れて
体温調節やホルモンバランスが不十分になる原因にもなります。
血流の大敵、瘀血(おけつ)タイプ
このタイプは、文字通り、全身の血流を悪くしています。
瘀血とは大まかな解釈で静脈で起こるうっ血というイメージです。うっ血が起こる原因も様々ですが、全身の血管や筋肉、自律神経に影響し、不調や痛みの原因になります。
肝臓で起こりやすく、他の臓器にも影響するタイプです。
傷による経絡ガタガタ、滞りタイプ
傷自体の痛みがある場合でもそうでない場合でも、癒着により経絡の流れが悪くなることがあります。それにより気や血液、水の流れが
スムーズではなくなり、滞りや不足を起こし、痛みや不調の原因となります。
以上が当院が考える10通りの身体のタイプになります。
先ほども書いたように、まずは自分の身体のタイプを知ることが不調や痛みから脱却する大事な一歩になります。
次回からタイプごとの詳細をご紹介していきますので、是非ご覧ください。
※冒頭に書いたように、必ずしも一つのタイプではなく、例えば扁桃腺が6割、肝機能炎上が4割、というような
複合したタイプの方もいます。
また、施術をしていくうちにタイプが変わる(本来の自分のタイプ)という方も少数ではありますが、いるかと思います。
そのような場合でも施術中にお伝えして、身体がより健康でいられるように施術を行っていきますのでご安心ください。