当院で使用する鍼となぜその鍼を使うのか?

一言で「鍼」と言っても多種多様で、治療の目的によって使う鍼はたくさんあります。
当院では一人一人に合ったツボを選択して、刺激量を最小限に、そして自然治癒力を最大限に引き出すように施術を行なっています。
そのため、当院では鍼を刺しっぱなしにする置鍼(ちしん)はほとんどしません。
また、ズーンと響くように深刺しもしません。
刺したとしても1秒程でほとんど痛みを感じない程度です。
また「鍉鍼(ていしん)」という刺さない鍼を使うことも良くあります。

使っている鍼について

主に2種類の鍼を使っています。
実際に刺す「毫鍼(ごうしん)」と刺さない鍼の「鍉鍼(ていしん)」です。

「毫鍼(ごうしん)」は一般的に良く鍼灸治療で用いられる鍼の種類です。
鍼の太さも様々ですが、当院ではその中でも細い鍼(太さ0.14㎜)を使っています。

長さも30㎜と15㎜と一般的な鍼よりも短い鍼を使って、刺激の量を抑えています。
また、先端も丸くなっているので、痛みを感じにくくなっています。

次に「鍉鍼(ていしん)です。
これはあまり目にすることも少ない鍼かと思いますが、昔からあるもので立派な鍼の一種です。
鍼=刺す、というイメージがありますが、鍉鍼のような刺さない鍼もたくさんの種類があります。
その中でも扱いやすく、幅広い方に対応できるので鍉鍼を使っています。


なぜこの2種類を使っているのか?

鍼灸治療というと鍼をツボや筋肉に刺す治療で、ズーンとした重い痛みや響きだったり、治療後に重だるくなったりするイメージを持たれることが多いようです。
また、痛いくらいじゃないと効き目がないんじゃないか、しっかり刺されないと効かないんじゃないか、と思われることも多いです。

痛みや不調があるときは、身体が疲労していて、休みたいというサインでもあります。
つまりこの場合、

・身体が回復する時間がないのか、
・回復する力(自然治癒力)がないのか


という2つのことが考えられます。

身体が回復する時間がない場合は、食べたり、十分な睡眠や休息を取れば痛みや不調は良くなりますが、ほとんどの場合はそれだけでは回復しないことが多いですよね。
このような時に身体に強い刺激を与えて負担をかけてしまうと、余計に疲れてしまい、回復の妨げになるので、最小限の刺激量で治療を試みております。

大事なことは、身体の疲労をとり、自分の本来持っている自然治癒力を回復させること。

そのために、何が回復の妨げになっているのか、今身体はどのような状況で何が原因で痛みや不調が起きているのかを探ります。その原因を取り除いて、身体が回復しやすいように整えるために、最小限の刺激量で最大限の自然治癒力を引き出すようにしております。

先ほど述べたような
治療中に痛みや重いズーンとした感覚になるのが苦手…
効き目はあるけど、あの感覚がなければもっと楽に受けられのに…
という方には安心して受けられる治療となっております。
逆に、鍼をしっかり刺して、ズーンとした感覚が欲しい、がっつり鍼を刺して欲しいという方には残念ながら不向きかと思います。

一口に鍼灸院と言っても、その院一つ一つで治療法や考え方も違ってきます。
どこが正解でどこが悪いというのではなく、ご自身に合った、そして痛みや不調が少しでも楽になる鍼灸院で治療を受けていただくことが一番大事なことだと思っております。

痛みや不調を根本から解決したい、苦痛に感じることなく治療を受けたいという方は是非一度ご相談ください。