当院では西洋医学的な検査方法も行いますが、メインは腹診や脈診といった東洋医学に基づく検査方法を用いて診断をしています。
ですが、施術を受けている患者さんからしてみると、何を診られているのか、どんなことを考えているのかなど疑問に思うことがたくさんあるかと思います。
そこで診断を行ううえで基礎となる東洋医学の考え方、今回は以前紹介ました「五臓六腑の虚・実」についてもう少しわかりやすく、「肝」を例にブラッシュアップして、セルフケアの方法もご紹介していきます。
虚・実をもう少しわかりやすく
以前のブログでは
・働く力が大きく、容量が多いことを「実」
・働く力が少なく、容量が少ないことを「虚」
と紹介しましたが、これがどのように不調や痛みの原因になるのかをもう少し掘り下げてご紹介していきます。
「虚」も「実」もそれ自体が不調や痛みに直結する、ということではありません。
元々「虚」の体質の人が、有害なにより、その臓器の機能が低下して、生命力が乏しくなり、不調や痛みになるものを虚による病症=「虚証」としています。
一方、「実」の体質の場合も、有害なものに対抗しようと機能を亢進して、バランスを崩し、不調や痛みの原因となるようものを実による病症=「実証」としています。
肝の虚と実を例にイラストにすると下記のようになります↓

また、「虚」と「実」どちらが良い、というものではなく、五臓(肝・心・脾・肺・腎)のバランスにより、身体の生命活動が行われているため、どこかを「虚」から「実」に、「実」から「虚」にすると、バランスが崩れてしまい、不調や痛みの原因にもなります。
肝は五行では「木」になるので、イラストにするとこんなイメージです↓

つまりは、
「虚」の人を有害なものにより「虚」にし過ぎない、
「実」の人を有害なものにより「実」にし過ぎなければ、
不調や痛みが起こらず、
「虚」の人は「虚」を維持し、
「実」の人は「実」を維持すると、
健康を保つことができる、ということになります。
現代の生活で虚・実に影響されやすい臓器は?
特に現代では「肝」を病む有害物(ストレス、アルコール、薬、眼精疲労、糖質、添加物etc.)が多く、
「肝」の虚・実に合わせて施術・セルフケアをすることが重要になります。
特にアルコールや糖質と添加物、眼精疲労はそれぞれ気をつけることができるので、日頃からケアしていくことで
「肝」へのダメージを軽減することができます。
アルコールや添加物、薬などは、身体にとっては毒と認識されてしまいます。
ですが、摂らざるおえない時や、知らずうちに摂ってしまう、飲まなくてはならない薬がある、ということも多いかと思います。
そこで、身体をデトックスする方法が、シソやニラを摂取することです。
シソやニラは「肝」や「腎」の解毒作用があります。
また、しじみ(貝)は強肝作用があるのでこちらもおすすめです。
眼精疲労には蒸気でホットアイマスクやメグリズム、電子レンジで繰り返し使える小豆の入ったものや、USBに繋いで使えるアイマスクなどもあるので、休憩時間にこまめに目を温めると効果的です。
また、目を温めることだけでなく、遠くを見ることも眼精疲労には効果的です。
眼精疲労はパソコンやタブレット、スマホなどは近くを見るため、目のレンズを調節している筋肉を酷使することで起こりますが、反対に遠くのものを見るための目にある筋肉を使うことで、近くのものを見る筋肉が緩めることができるからです。
糖質については過去のブログでも紹介していますが、少し糖質を多くとっているかも…とお心あたりのある方は、思い当たる糖質をピックアップして、その糖質をまずは半分にしてみましょう。
期間は2週間。(2週間すると大分なれてくるそうです)
その後もうその半分にしていくと、身体の変化を実感できるようになっていきます。
現代では普通に生活しているだけでも疲労してしまう「肝」を↑のようにケアしていくと
- 疲れにくくなる
- 筋疲労が軽減する
- 顔の血色が良くなる(または化粧乗りが良くなる)
など様々な効果も期待できるようになります。