病院に行く前に知っておきたい!浮動性めまいと不調のセルフチェックとケア

「ふわふわする」「雲の上を歩いているみたい」といった浮動性めまい。その不快感に悩まされていませんか? このめまいは、回転性のめまいとは異なり、周囲がグルグル回る感覚ではなく、体がフワフワと浮いているような感覚が生じるのが特徴です。放置すると不安感や吐き気などの不調を伴うこともあり、日常生活にも支障をきたす可能性があります。本記事では、浮動性めまいの原因や症状、回転性めまいとの違いを分かりやすく解説。さらに、自律神経の乱れやストレス、更年期障害など、関連する不調についても詳しく説明します。また、めまいの程度や日常生活への影響をチェックできるセルフチェックリストや、規則正しい生活習慣、食事療法など、自宅でできる効果的なケア方法もご紹介します。ビタミンB群、鉄分など、摂取すべき栄養素についても具体的に解説しているので、すぐに実践できます。最後に、めまいがひどい、長引く、他の症状を伴うなど、病院を受診すべきケースについても解説しますので、ご自身の状況を把握し、適切な対応に役立ててください。この記事を読むことで、浮動性めまいへの理解を深め、適切なセルフケアを行うことで、不快な症状を軽減し、安心して日常生活を送るための知識を身につけることができます。

1. 浮動性めまいとは何か

浮動性めまいとは、まるで自分がふわふわと浮いているような、または体が揺れているような感覚を覚えるめまいの種類です。地面が揺れているような感覚や、雲の上を歩いているような感覚体が沈んでいくような感覚などと表現されることもあります。周囲の景色が揺れて見える回転性めまいとは異なり、視界が揺れることはあまりありません。 多くの場合、吐き気や嘔吐などの症状は伴いませんが、不安感や動悸、息苦しさなどの症状を伴うことがあります。症状の程度は軽く、一時的なものから、日常生活に支障をきたすほど重く、慢性的なものまで様々です。

1.1 浮動性めまいの症状

浮動性めまいの主な症状は、ふわふわとした浮遊感揺れです。この感覚は、立っている時や歩いている時に特に強く感じられることが多く、座ったり横になったりする事で軽減される場合もあります。具体的な症状としては以下のようなものがあります。

  • 地面が揺れているような感覚
  • 体がふわふわと浮いているような感覚
  • 雲の上を歩いているような感覚
  • 体が沈んでいくような感覚
  • 不安感
  • 動悸
  • 息苦しさ
  • 倦怠感
  • 集中力の低下

1.2 回転性めまいとの違い

めまいには様々な種類がありますが、その中でも代表的なものが回転性めまい浮動性めまいです。この2つは症状や原因が大きく異なります。

 回転性めまい浮動性めまい
症状周囲の景色がぐるぐると回転しているように感じる。吐き気や嘔吐を伴うことが多い。ふわふわと浮いているような、または体が揺れているような感覚。吐き気や嘔吐はあまり伴わない。
原因内耳の異常(良性発作性頭位めまい症、メニエール病など)が多い。自律神経の乱れ、不安やストレス、睡眠不足、更年期障害、貧血などが考えられる。
持続時間数秒から数分、長い場合は数時間続くこともある。数分から数時間、場合によっては数日続くこともある。

1.3 浮動性めまいが起こる原因

浮動性めまいは、様々な原因によって引き起こされます。一つの原因で起こることもあれば、複数の要因が複雑に絡み合って起こることもあります。代表的な原因としては以下のものが挙げられます。

  • 自律神経の乱れ:ストレスや生活習慣の乱れなどによって自律神経が乱れると、めまいが生じやすくなります。
  • 不安やストレス:強い不安やストレスを感じると、めまいを引き起こすことがあります。パニック障害うつ病などの精神疾患に伴うめまいも、この一種と考えられています。
  • 睡眠不足:睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こす原因となります。
  • 更年期障害:女性ホルモンのバランスの変化によって自律神経が乱れ、めまいが生じやすくなります。
  • 貧血:血液中の赤血球が不足すると、脳への酸素供給が不足し、めまいを引き起こすことがあります。
  • 低血圧:血圧が低いと、脳への血流が不足し、めまいが生じやすくなります。特に、起立性低血圧の場合は、急に立ち上がった時にめまいを感じることがあります。
  • 薬の副作用:一部の薬には、めまいを副作用として引き起こすものがあります。服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
  • 脳腫瘍などの脳の病気:まれに、脳腫瘍などの脳の病気が原因でめまいが起こることがあります。ただし、脳腫瘍が原因でめまいが起こる場合、他の神経症状を伴うことが多いです。

これらの原因以外にも、過労脱水気圧の変化なども浮動性めまいの原因となることがあります。また、特定の疾患が隠れている場合もありますので、原因が特定できない場合や症状が改善しない場合は、医療機関を受診することが重要です。

2. 浮動性めまいと関連する不調

浮動性めまいは、様々な身体的・精神的な不調と関連していることがあります。単独で起こる場合もありますが、他の症状と併発することで、より深刻な健康問題のサインである可能性も考えられます。そのため、めまいとともに下記のような不調を感じている場合は、その関連性について理解を深めることが重要です。

2.1 自律神経の乱れ

自律神経は、呼吸や消化、体温調節など、生命維持に不可欠な機能をコントロールしています。この自律神経のバランスが崩れると、めまいだけでなく、頭痛、動悸、息切れ、発汗、倦怠感、吐き気などの様々な症状が現れることがあります。特に、ストレスや不規則な生活習慣、更年期などが自律神経の乱れの原因となることが知られています。浮動性めまいも、この自律神経の乱れと密接に関係していると考えられており、自律神経のバランスを整えることが、めまいの改善に繋がる可能性があります。

2.2 不安やストレス

現代社会において、不安やストレスは多くの人が抱える問題です。過剰なストレスは自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こすことがあります。また、不安感が強いと、めまいに対する恐怖心が増幅し、症状が悪化するケースも少なくありません。パニック障害やうつ病などの精神疾患も、浮動性めまいを伴うことがあるため、精神的なケアも重要です。

2.3 睡眠不足

質の良い睡眠は、心身の健康を維持するために不可欠です。睡眠不足は自律神経の乱れに繋がり、めまいを引き起こしたり、悪化させる要因となります。また、睡眠不足は、集中力の低下や倦怠感など、めまい以外の不調も引き起こし、日常生活に支障をきたす可能性があります。規則正しい睡眠習慣を心がけることで、めまい症状の改善が期待できます。

2.4 更年期障害

更年期は、女性ホルモンの分泌が低下する時期であり、様々な身体的・精神的な変化が起こります。めまいは更年期障害の代表的な症状の一つであり、ホルモンバランスの乱れによって自律神経が不安定になることが原因と考えられています。ホットフラッシュ、のぼせ、発汗、イライラ、抑うつ気分など、他の更年期症状とともにめまいが現れることも多く、更年期障害の治療によってめまいが改善される場合もあります。

2.5 貧血

貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが減少した状態です。酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンが不足すると、脳への酸素供給が不足し、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどの症状が現れることがあります。鉄欠乏性貧血が最も一般的な貧血の種類であり、鉄分の摂取不足や過多月経などが原因となります。貧血が疑われる場合は、血液検査を行い、適切な治療を受けることが重要です。

関連する不調主な症状
自律神経の乱れめまい、頭痛、動悸、息切れ、発汗、倦怠感、吐き気
不安やストレスめまい、動悸、息切れ、吐き気、不安感、焦燥感
睡眠不足めまい、倦怠感、集中力の低下、頭痛、イライラ
更年期障害めまい、ホットフラッシュ、のぼせ、発汗、イライラ、抑うつ気分
貧血めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、顔面蒼白

上記以外にも、低血圧、甲状腺機能異常、脳腫瘍などの疾患が浮動性めまいの原因となる場合もあるため、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。

3. 浮動性めまいのセルフチェック

浮動性めまいは症状の程度や持続時間、随伴症状などによって原因が異なり、適切な対処法も変わってきます。セルフチェックを行うことで、ご自身のめまいの状態を把握し、適切な対処や医療機関への受診の必要性を判断するのに役立ちます。以下のチェック項目を参考に、現在の状態を確認してみましょう。

3.1 めまいの程度をチェック

めまいの程度は、日常生活への影響度を測る上で重要な指標となります。以下の基準を参考に、ご自身のめまいの程度を評価してみてください。

程度症状日常生活への影響
軽度ふわふわとした軽い浮遊感がある。周囲が揺れているように感じる。日常生活に支障はないが、少し気になる程度。
中等度立っていられないほどの強い浮遊感がある。吐き気や嘔吐を伴うことがある。日常生活に支障が出てきて、仕事や家事が困難になる。
重度立っていられない、歩けないほどの激しい浮遊感がある。激しい吐き気や嘔吐を伴う。日常生活が送れず、寝たきり状態になることもある。

めまいの程度が重度の場合、至急医療機関を受診しましょう。中等度の場合でも、症状が改善しない場合は医療機関への相談を検討してください。

3.2 めまいに伴う症状をチェック

浮動性めまいは、他の症状を伴う場合があります。これらの症状をチェックすることで、めまいの原因を特定しやすくなります。以下の症状があればチェックを入れてください。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 難聴
  • 動悸
  • 息切れ
  • 冷や汗
  • 手足のしびれ
  • ふらつき
  • 倦怠感
  • 不安感
  • 抑うつ気分
  • 睡眠障害

特に、耳鳴りや難聴、手足のしびれ、激しい頭痛、意識障害などを伴う場合は、脳梗塞や脳腫瘍などの重篤な疾患の可能性もあるため、すぐに医療機関を受診することが重要です。 また、吐き気や嘔吐、動悸、息切れ、冷や汗などの自律神経症状を伴う場合は、自律神経の乱れが原因である可能性が高いです。不安感や抑うつ気分、睡眠障害などを伴う場合は、精神的な要因が影響している可能性も考えられます。

3.3 日常生活への影響をチェック

めまいによって日常生活にどのような影響が出ているかを把握することも重要です。以下の項目について、当てはまるものをチェックしてみてください。

  • 仕事や学業に集中できない
  • 家事が困難
  • 車の運転ができない
  • 外出するのが怖い
  • 人と会うのが億劫
  • 趣味を楽しめない

日常生活に支障が出ている場合は、めまいの症状が進行している可能性があります。医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。 また、日常生活への影響が大きい場合は、周りの人に相談し、サポートを受けることも大切です。セルフチェックの結果を医師に伝えることで、診断の助けにもなりますので、メモしておきましょう。

4. 浮動性めまいのケア方法

浮動性めまいは、日常生活に支障をきたすつらい症状です。医療機関の受診も重要ですが、ご自身でできるケアも効果的です。ここでは、日常生活でできるケア、ツボ押し、食事療法など、様々なセルフケアの方法を紹介します。

4.1 日常生活でできるケア

規則正しい生活習慣を心がけることが、浮動性めまいの改善に繋がります。睡眠不足や疲労は、めまいを悪化させる要因となるため、十分な睡眠時間を確保し、バランスの良い食事を摂りましょう。また、カフェインやアルコールの過剰摂取は避け、禁煙も心がけてください。

ストレスを軽減することも重要です。ストレスは自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こしたり悪化させたりする可能性があります。リラックスできる時間を作る、趣味に没頭する、アロマテラピーを取り入れるなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。ヨガや瞑想なども効果的です。過度な心配や不安を抱えている場合は、カウンセリングを受けるのも一つの方法です。

適度な運動も効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、水泳など、無理のない範囲で体を動かすことで、血行が促進され、自律神経のバランスも整います。ただし、めまいが強い時は運動を控え、症状が落ち着いてから再開するようにしましょう。激しい運動は逆効果になる場合があるので注意が必要です。

4.2 食事でできるケア

バランスの取れた食事を摂ることは、健康維持の基本であり、めまいの改善にも繋がります。特に、以下の栄養素は積極的に摂取するように心がけましょう。

ビタミンB群は、神経の働きを正常に保つために必要な栄養素です。豚肉、レバー、うなぎ、玄米、大豆などに多く含まれています。ビタミンB群が不足すると、めまいやふらつき、疲労感などの症状が現れることがあります。

鉄分は、血液中のヘモグロビンを作るために必要な栄養素です。鉄分が不足すると貧血になり、めまいや立ちくらみを起こしやすくなります。レバー、ほうれん草、ひじき、あさりなどに多く含まれています。鉄分の吸収を助けるビタミンCと一緒に摂取すると効果的です。

水分不足もめまいの原因となるため、こまめに水分補給をしましょう。特に、夏場や運動後などは意識的に水分を摂るようにしてください。脱水症状を防ぐためには、水やお茶、OS1(経口補水液)などがおすすめです。カフェインを含む飲み物は利尿作用があるため、水分補給には適していません。

これらのケア方法を実践しても症状が改善しない場合や、悪化する場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。めまいは様々な原因で起こるため、専門医による適切な診断と治療が必要です。

5. 病院を受診すべきケース

浮動性めまいは比較的良性の症状であることが多いですが、中には重大な病気が隠れている可能性もあります。自己判断で放置せずに、以下のケースに当てはまる場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

5.1 まずは当院へご相談ください

めまいの症状はあるんだけど、どこに相談すればいいのかわからなかった…という来院された方はとても多いです。
「まずは病院行ったほうがいいのかな」
「何科に相談すればいい??」
「この症状で相談してもいいのかな…」
とお考えの方はまず当院へご相談ください。
脳梗塞や心疾患などの重篤な症状でもめまいは起きますが、そうでない場合は施術をしていけば症状はなくなっていきます。
また、施術の前に問診や検査をして、病院を受診したほうが良い場合は、病院での検査を勧めたり、病院での治療と並行して施術を提案したりすることができます。
また、すでに病院で検査を受けて治療をしているが、あまり状態が良くないという場合でも遠慮なくご相談ください。

5.2 めまいがひどい場合

立っていられない、意識がもうろうとするほどの激しいめまいの場合は、救急車を呼ぶか、すぐに病院へ行きましょう。脳卒中や脳腫瘍などの緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。

また、めまいの発作が繰り返し起こる場合も、早めに医療機関を受診することが重要です。メニエール病などの病気が疑われます。

5.3 めまいが長引く場合

2週間以上めまいが続く場合は、何らかの病気が原因である可能性が高いと考えられます。自己判断で様子を見ずに、耳鼻咽喉科、神経内科、または内科を受診し、適切な検査を受けましょう。原因不明のまま放置すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、症状が悪化する可能性もあります。

5.3 他の症状を伴う場合

めまいと共に、以下の症状が現れる場合は、注意が必要です。速やかに医療機関を受診しましょう。

症状考えられる病気
激しい頭痛くも膜下出血、脳腫瘍など
手足のしびれ脳梗塞、脳出血など
ろれつが回らない脳梗塞、脳出血など
物が二重に見える、視野が欠ける脳梗塞、脳出血など
耳鳴り、難聴メニエール病、突発性難聴など
吐き気、嘔吐メニエール病、脳卒中など
高熱髄膜炎、脳炎など
意識障害脳卒中、低血糖など

これらの症状は、命に関わる病気が隠れているサインである可能性があります。少しでも異変を感じたら、ためらわずに病院を受診しましょう。適切な診断と治療を受けることで、症状の改善や重症化の予防につながります。

また、市販のめまい止め薬を服用しても改善しない場合や、めまいによって日常生活に支障が出ている場合も、医療機関への相談をおすすめします。医師の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。

6. まとめ

この記事では、病院に行く前に知っておきたい浮動性めまいと不調のセルフチェックとケアについて解説しました。浮動性めまいは、ふわふわとした浮遊感や体が揺れているような感覚を覚えるめまいで、回転性めまいとは異なる特徴があります。原因としては、自律神経の乱れ、不安やストレス、睡眠不足、更年期障害、貧血などが考えられます。

セルフチェックでは、めまいの程度、伴う症状、日常生活への影響を確認することが重要です。ケア方法としては、規則正しい生活習慣、ストレス軽減、適度な運動などの日常生活でできるケアや、百会、風池、天柱といったツボ押し、ビタミンB群や鉄分の摂取、十分な水分補給などの食事によるケアが有効です。

しかし、めまいがひどい、長引く、他の症状を伴う場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。特に、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らない、意識がもうろうとするといった症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶなど適切な処置が必要です。この記事が、浮動性めまいに悩む方の参考になれば幸いです。