肉離れ 改

来週からもう3月になりますね。
まだまだ寒い日が続いていますが、暖かくなってくると花粉症や自律神経の疾患なども増えてくるのが春先の特徴でもあります。
割とこの2つは知られていますが、実は今回ご紹介する肉離れも春先に多い怪我なんです。
今回は肉離れとは何か?そしてなぜ春先に多くなるのか?を付け加えて振り返りながらご紹介していきます。

そもそも肉離れとは?

肉離れは通称のような呼び名で、正式には筋肉の「挫傷(ざしょう)」と言います。
これは筋肉の繊維が引き裂かれた状態を言います。
肉離れがよく起こる箇所はハウストリング(裏もも)やふくらはぎの筋肉に多くみられますが、この2箇所に限らず、筋肉の繊維が引き裂かれている状態すべてを指すこともあります。
原因として多いのが、瞬間的に大きな力が筋肉にかかったとき(急に走ったり、重いものを持ったときなど)、関節の可動範囲を超えて動いたとき(急に引っ張られたり、無理に捻ったり)だったり、一度の負荷は小さくても、何度も同じ動作を繰り返して少しずつ筋肉の繊維を引き裂いて起こる肉離れもあります。
また、痛みが少なく、内出血のない軽症のものから、痛みが強く、歩行などの動作も困難で出血もひどい重症まで幅広くグレードがあるのも肉離れの特徴です。

症状として多いのが
・走り出そうとして足に痛みが出た
・その後歩くのもしんどい
・痛みが出てから数日後に内出血が出てきた
・受傷後から痛みがなかなか引かない
・よく足が痛むようになった
このような症状の経過があった場合、肉離れの可能性があります。

また、上のように切れた断端の間は「瘢痕」というかさぶたのような組織に置き換り修復されます。
この瘢痕は筋組織のような柔軟性はないため、負傷した筋肉を含めた全身の筋肉の柔軟性をより高めないと再負傷する原因となってしまいます。

当院が考える肉離れの原因と対処法

先程書いたように原因は筋繊維を引き裂く力が加わったことによるものですが、根本的な原因としては、負傷以前に筋肉の柔軟性の低下があることがほとんどです(ごく稀に柔軟性があって、それよりも強い力が加わってしまい、肉離れになることもあります)。また、柔軟性の低下は再発を繰り返す原因にもなります。
筋肉の柔軟性の低下が起こりやすくなる原因として多いのが、
・ストレッチ不足
・筋疲労
・糖質過多
・体温の低下、上りづらい
・扁桃腺の機能低下
などが考えられます。
それぞれの詳細は↓のブログからもご覧になれます。


ストレッチ不足や筋疲労は言うまでもありませんが、糖質過多も筋肉を硬くし、柔軟性を著しく低下させます。
体温が低ければ、筋肉の活動もしづらくなり、肉離れが起きやすく、扁桃腺の機能低下も炎症を起こしやすくなり、疲労が溜まり、筋肉が活動しにくくなります。
これら筋肉の柔軟性が低下させる原因があるのかを探り、施術し、普段の生活でも気をつけていくと、症状を緩和することができます。

春先に多いのはなぜか?

冒頭でも書きましたように、肉離れはなぜ春先に多くなるのか?
それは筋肉が属する「脾(ひ)」が弱くなりやすいためです。
「脾(ひ)」というのは五臓六腑である肝・心・脾・肺・腎という身体を構成している臓器の一種で、
現代医学では脾=胃・膵臓などの消化器全般のことをいいます。

ではなぜ春先にこの「脾」のはたらきが弱くなりやすいのか?

五臓六腑の各臓器は季節によってはたらきが強くなり、その季節に合わせた身体をつくっていると言われています。
例えば、肝は春、心は夏、肺は秋、腎は冬といった具合に各季節ごとにどの臓器が主動しているかが決まっています。
そして春は肝(臓)ですよね。
この肝臓のはたらきが盛んになると、脾のはたらきが弱くなりやすくなり、それが筋肉に影響して肉離れが起きやすい状況になる、ということです。

また、春になると気温も体温も上がるので、身体を動かすことも多くなりますが、まだ身体は動きなれていないこともあるので、急にハードな動きをすることも肉離れの原因になります。
ストレッチなどで十分に身体をほぐしてから運動すると、肉離れや翌日に疲労を残さない予防になります。

よく肉離れはクセになる、とも言われますが、それはちゃんと治っていない状態で運動を再開してしまうことが原因です。
また、療養中にもしっかりケアしていくことが早く治るまでの近道でもあり、再発防止にもつながります。
よく肉離れをする…
再発を繰り返している…
いつ肉離れになるか心配…
という場合は、何か隠れた原因がある可能性が高いので一度当院で原因を特定し、しっかりケアしていくことをお勧めします。
すでに肉離れをしている、
まだしていないけれど予防したい、
もう繰り返したくない、
という方はご相談だけでも構いませんので、ご連絡くださいね。